駒場キャンパスからの留学

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学問としての「オリンピック」
参加者14名による共同執筆

 私たちが履修した国際研修科目「学問としての『オリンピック』」は、駒場キャンパスでの事前講義とギリシャとフランスでの海外研修のふたつの部分から構成されていました。
 事前講義では、古代オリンピックの実態、オリンピックの哲学的考察、オリンピックを題材としたギリシャ芸術、オリンピック競技の動作分析、近代におけるオリピックの「復興」と展開について専門の先生からの講義を受けました。これらの講義から得た学問的な知見によって、これまで漠然とテレビで観戦していたオリンピックに対する私たちの見方が大きく変わりました。単なる国際的なスポーツの祭典の背後にある知の営みの一端を学ぶことができたからです。
 8月30日から9月9日まで、私たちはギリシャとフランスでの研修に臨みました。ギリシャでは、アテネ大学の先生の講義を聴講したのち、オリンピック関連の様々な場所を訪れました。古代オリンピックが開催され、今日ではオリンピック開催ごとに採火式が行なわれるペロポネソス半島のオリンピアの遺跡では、古代の競技場で実際に徒競走をしました。マラソン伝説の発祥となったマラソンも訪問しました。アテネでは第1回近代オリンピック大会が開催された競技場に行き、ここでもまた徒競走をしました。アテネ大学などのギリシャの大学生との討論交流会も楽しく実りあるひとときでした。
 在アテネ日本大使館の西林万寿夫大使のご好意により、大使公邸でのギリシャのオリンピック関係者との夕食懇談会に招待されました。ギリシアオリンピック委員会委員長カプラロス氏や、1964年の東京オリンピック開催時、オリンピアからの最初の聖火ランナーで旗手を務めたマルセロス氏とお話しするというとても幸運な機会に恵まれました。
 フランスでは、ルーヴル美術館を訪れ、実際のギリシャ彫刻を鑑賞しました。講義でさまざまな写真を見ていましたが、実際の彫刻からうける迫力は強烈で、思わず息をのみました。オリンピックは開催国の文化の発露の場でもあるという視点から、2020年の東京オリンピック開催を見据えて、INALCO (フランス国立東洋言語文化研究所)の学生とは、谷崎潤一郎『陰翳礼讃』と日本のポップカルチャーを題材にして、日本の伝統文化と今日の文化の共存のあり方について討論しました。フランス人学生が、日本文化に対して非常に深い理解と親しみを持っていることに驚き、うれしく思いました。 
 この授業を履修して、多くのことを学びました。駒場キャンパスでの講義とギリシャ・フランスでの現地での体験を通して、オリンピックを教養としての知の文脈の中に位置づける視点を、自分たちなりに獲得できました。オリンピックとは直接関係がありませんが、何がグローバルな人材に必要かも学びました。ギリシャとフランスで、現地の言葉を少しでも話すことで、現地の人たちは非常に親しい態度で接してくれました。英語だけ話していたらただの外国人扱いで終わってしまいますが、現地の言葉であいさつするだけで、現地の人たちは心を開いてくれるのです。グローバル化とは英語化であってはならないと実感しました。それぞれの国の言語とそれを支える文化を尊重する姿勢を私たちは忘れるべきではありません。外国人と交流する際に最も重要なのは、自分の意見をしっかり持つことだということも学びました。そのためには、大学生活を通して、基本的な知識と教養を身につけることが本当に大切なのだと感じました。すべての科類の学生が、一緒にこの授業に参加できたことで、物事に対するそれぞれの異なる見方がよいかたちで影響しあい、お互いを知的に刺激できたこともとてもよかったと思います。
 この授業に携わってくださった先生方、特に、授業も引率も担当してくださった澤柳先生、ギリシャとフランスで出会ったたくさんの人たちへのお礼の言葉で、私たちの報告を終わりにします。 ありがとうございます。 Ευχαριστώ πάρα πολύ. Merci beaucoup.
飯田大雅(理I・1年)北岡佑太(文I・1年)三枝弘幸(文III・2年) 佐々木奈乃子(文III・1年)佐藤拓哉(理II・2年)田中祐奈(文II・1年) 内藤祥平(理I・1年)野田隆(文I・1年)長谷川璃星(理II・1年) 三浦崇寛(理I・1年)森昌史(理III・1年)保井龍太郎(文III・1年) 横井敦(文II・2年)渡邉春香(文III・1年)

オリンピア徒競走

INALCO討論会

アテネ懇親会