駒場キャンパスからの留学

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「多民族・多文化共生社会を学ぶ」 
長谷川皓祐(文III・1年)

 主題科目「多民族・多文化共生社会を学ぶ」は、駒場キャンパスでの事前研修と現地での研修を通して、マレーシアの宗教・民族・文化などにおける多様性と、とりわけイスラームに関わる産業について理解を深めることを目的としていました。ただ、運の悪いことに、マレーシアでテロの危険性が高まっていることをうけ、3月6日から13日に予定されていた現地研修は中止になってしまいました。マレーシア当局の協力の下に作られた魅力的で手の込んだ研修プログラム(現地大学の訪問やマレーシア元首相マハティール・モハマド氏との対談など)だっただけに、非常に残念でしたが、担当の澤柳奈々子先生をはじめ、多くの方々が事前研修や代替授業を楽しく密度の濃いものにして下さり、大変充実した時間を過ごすことが出来ました。<br />
 私たちは、研修を通して主に3つの学びを得ました。第一に、私たちはイスラームについての知識を深めることが出来ました。何かと問題視されがちなイスラームですが、その成り立ちや現状を丹念にたどってみると、とても人間的・論理的で親しみを持てるような考えのもとに成り立っているということが分かりました。例えば、ムスリムは年に一度ラマダン月に断食を行いますが、これは貧者の気持ちを理解するために行われるもので、日没後には喜捨と呼ばれる富裕層からの寄付によって食事が振る舞われることもあるのです。また、代々木上原にあるモスク、東京ジャーミィを見学した際は、荘厳な礼拝堂を前に心が洗われるような思いでした。一方、明治大学教授の佐原徹哉教授をお招きしての講義では、イスラム国(IS)によって世界規模に拡大し日常化するテロの脅威について学びました。<br />
 第二に、マレーシアの民族にとらわれない国家の在り方を学ぶことで、民族や文化の多様性について理解することが出来ました。6割のマレー系住民、3割の華人、1割のインド系住民、その他少数民族が一国に暮らすマレーシアには、多様性が織り成す様々な状況があります。それは、単に文化的なものだけでなく、政治・経済など一見民族には関係がないように思われる分野にまで及びます。株式会社ニューズピックスのグローバル・ストラテジスト川端隆史氏は、民族党が複雑に絡み合い、民族の融和へと進みつつあるマレーシアの政治状況について話して下さいました。民族多様性は日本ではあまり意識しないことであり、一つ一つの話が新鮮に感じました。<br />
 最後に、マレーシアにおいて発展が著しいハラル産業やイスラーム金融についての理解を深めることが出来ました。特にハラル産業については多くのことを学びました。イスラームには、豚肉を食べてはならないといった食物に関する戒律があるため、その戒律に適した食品(これをハラルと言います)の認証が一大ビジネスとなっており、マレーシアはその産業の中心地です。マレーシア・ハラル・コーポレーション代表取締役のアクマル・アブ・ハッサン氏によると、日本もこのハラル認証ビジネスを、日本を訪れるムスリムに安全基準を提供するという、いわばおもてなしとして振興していく必要があるということでした。まずは2020年の東京オリンピックを一つの区切りとして、ムスリムを始めとする海外の人々を受け入れる態勢を構築することが必要だと感じました。<br />
 繰り返しになりますが、現地での研修が叶わなかったにも関わらず、私たちが多くを学 ぶことが出来たのは、澤柳先生やご協力頂いた多くの方々のお蔭です。感謝の意を表して、報告文の結びとさせて頂きます。

長谷川マレーシア1

マレーシア人アクマル氏による「ハラルと日本社会」の講義

長谷川マレーシア2

代々木上原のモスク東京ジャーミー訪問

長谷川マレーシア3

代々木上原のモスク東京ジャーミー訪問