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国際研修体験報告

2015年Aセメスター/A2ターム

イタリア

イタリアと食文化・農業・共同体  石 晴佳(文I・2年)
 私は食べることが嫌いではない。どちらかといえば好き。でも、おいしくないものを食べることはとても嫌いだし、おいしくないものを食べるくらいなら食事はなくてもいいと思う。食べ物が豊富な時代の日本に生まれ、食べ物に何の不自由も感じずに生きてきているから、いつもおいしいものを食べられるのは当たり前の環境に育った。でもよく考えてみると、おいしいってなんだろう?人間は食べないと生きていけないのだから、食べ物なら何でもおいしいのではないか?いや、そんなことはない…舌の受容体で、ある味成分を受容しても、味覚は主観的なものだから人によって認知するものは違う…でも私の舌はバカみたいに選り好みが激しいし、人一倍、いやもっと、おいしいものでないと受け付けない。人の味覚や好みというものは不思議だ。そして、自分の選り好みの激しさには本当に辟易している。
 幸い、そんな好き嫌いの多い私でも、イタリアンは好きだった。おいしいものが好きすぎるから、食に対する興味と関心は人一倍あった。他の文化圏の人々は何を、どのように生産し、食べて、生きているのだろう…。私の知っている「食」と何が違って、何が似ているのだろう。外国の食の実態を生産現場から食卓まで、現地に行って、五感を使って体感してみたかった。異国での新たな発見や新鮮な驚きを期待して、食に対する飽くなき探求のため、イタリアへ向かった。
 最初に言っておくが、イタリアの食事が必ずしも私の口に合うものであった訳ではなかったし、日本で食べられるイタリアンに比べても正直にいえば、普通だった。それは、自分の普段の選り好み食生活を考慮すると最初から想定はついていた。ただ、味がどうだこうだということを全く超越した経験をすることが出来た。それは、一つにはイタリアで食べたすべての食べ物や料理から、私がイタリア人の、「郷土に対する強い思い、こだわり」を感じ取ることが出来たことにまとめられる。

 今回学んだことは書き尽くせないほどにあるが、この研修を三つの側面から振り返ってみたい。一つ目は、食を生産する現場の側面、二つ目は食材や料理を提供する現場からの側面、三つ目は食を楽しむ人々からの側面である。
 まず、一つ目、食材を生産する現場を体験したことについては大学の研修でない限り体験できないような貴重なものであった。私たちは、パルマでパルミジャーノレッジャーノの工場とパルマハムの工場を訪問した。パルミジャーノレッジャーノチーズとパルマハムは、パルマの風土を活かし、伝統的な手法を守っている、イタリアでも数少ない工場で作られていた。職人技が大切なようで、一人前になるためには30年以上かかるらしい。また、パルマの、牛を飼育しているアグリツーリズモに宿泊することで、チーズの原材料となる牛乳が作られている場所を住むように体験することができた。さらに、社会農園や市街から近い農耕地を持つアグリツーリズモを訪ね、イタリアの農業の様々な側面を垣間見ることができた。
 次に、二つ目、食材や料理を提供する側について現地では、いわゆる観光地的なところに行くのではなく、実際にイタリアに住む人たちが行くような場所へ行けたことが興味深かった。私たちは、トリノやボローニャでマーケットを視察した。そこは、イタリアで生活している人々の活気に満ち溢れた台所であった。また、私たちは、北イタリアの五つの都市に滞在し、現地のレストランでランチやディナーを楽しんだが、どの都市の料理も、その土地の名産や伝統的な調理法による、何故か落ち着くような、あたたかみのあるものであった。これはイタリアの食事が強い地域色を帯びたものであることを感じさせた。
 さらに、三つ目の食を楽しむ人々の側について、私たちは二つの新たな知見を得ることが出来た。まず、一つの知見は、スローフード運動のスピリチュアル的な食事に対する考え方である。私たちは、一つの食に対する姿勢を世界に発信しているスローフード協会によって創設された、食科学大学を訪れた。そこでは味覚の実験や、ピエモンテ料理の調理実習を行い、さらに、そこで食科学大学の理念や教育についての講義を受けた。食に対する強い熱意やこだわりが感じられて、とても感心した。食科学大学で学んだ食に対する思想や流儀は、ある一側面的なものに過ぎないけれど、私たちがこれから食に対して積極的、能動的に関わっていくための糧となり得たと思う。二つ目の知見は現地のレストランで食事をしているときに感じたものだ。それは、イタリア人は食事を気の置けない仲間や家族と語らいながら、ゆったりと食事をとっている様子から、生活の中の食を大事にしていて生きることを楽しんでいるように感じたことである。このことから、日々のさまざまなことに忙殺されず、食べるという身近なことからゆとりを持つことが、生活の中に安らぎを与えてくれるのかもしれないと思った。

 今回の研修で学んだことは決して食のことだけではない。様々な人種の人々が、私になじみない言語を使って行きかう喧騒の中で、私はたくさんの人々の「生」や各々異なる「文化」を身を持って感じることができた。また、様々な人と出会い、お互いに会話をし、関わることが自分のイタリアでの学びに更なる深みを加えた。例えば、ミラノ大学の学生と交流することで、各文化の相違を学び、自分の日本に対する見方を再確認した。また、在ミラノ領事館の富永さんにお話を伺うことで、イタリアに対する新しい知見を得るが出来た。さらに、大澤先生やメンバーのみなさんとたくさん議論し、意見を交換することは、私が自分の考えや意見について今までとは違う見方が出来るようになる刺激的な経験であった。毎度の食事や観光など、11日間共にし、最後には別れることが惜しいくらいとなったメンバーの皆さんと、この素晴らしい研修を企画して下さった大澤先生にはここで深く感謝の意を述べたい。
 日本とは別の食文化圏を、イタリアで五感を使って学び、その相違に気付いたり、非日常的な空間で様々な人との「生」を垣間見たりすることは、私を異文化に対する更なる学術的興味の世界へ誘い、さらに、食べること、即ち「生きること」の意味を考え直させる経験となった。この経験を活かし、これからも食や他国の文化に幅広く興味と関心を持ち、積極的に異文化に関わっていくことでグローバル的な視点が持てる人になりたい。

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マレーシア

「多民族・多文化共生社会を学ぶ」 長谷川皓祐(文III・1年)

 主題科目「多民族・多文化共生社会を学ぶ」は、駒場キャンパスでの事前研修と現地での研修を通して、マレーシアの宗教・民族・文化などにおける多様性と、とりわけイスラームに関わる産業について理解を深めることを目的としていました。ただ、運の悪いことに、マレーシアでテロの危険性が高まっていることをうけ、3月6日から13日に予定されていた現地研修は中止になってしまいました。マレーシア当局の協力の下に作られた魅力的で手の込んだ研修プログラム(現地大学の訪問やマレーシア元首相マハティール・モハマド氏との対談など)だっただけに、非常に残念でしたが、担当の澤柳奈々子先生をはじめ、多くの方々が事前研修や代替授業を楽しく密度の濃いものにして下さり、大変充実した時間を過ごすことが出来ました。
 私たちは、研修を通して主に3つの学びを得ました。第一に、私たちはイスラームについての知識を深めることが出来ました。何かと問題視されがちなイスラームですが、その成り立ちや現状を丹念にたどってみると、とても人間的・論理的で親しみを持てるような考えのもとに成り立っているということが分かりました。例えば、ムスリムは年に一度ラマダン月に断食を行いますが、これは貧者の気持ちを理解するために行われるもので、日没後には喜捨と呼ばれる富裕層からの寄付によって食事が振る舞われることもあるのです。また、代々木上原にあるモスク、東京ジャーミィを見学した際は、荘厳な礼拝堂を前に心が洗われるような思いでした。一方、明治大学教授の佐原徹哉教授をお招きしての講義では、イスラム国(IS)によって世界規模に拡大し日常化するテロの脅威について学びました。
 第二に、マレーシアの民族にとらわれない国家の在り方を学ぶことで、民族や文化の多様性について理解することが出来ました。6割のマレー系住民、3割の華人、1割のインド系住民、その他少数民族が一国に暮らすマレーシアには、多様性が織り成す様々な状況があります。それは、単に文化的なものだけでなく、政治・経済など一見民族には関係がないように思われる分野にまで及びます。株式会社ニューズピックスのグローバル・ストラテジスト川端隆史氏は、民族党が複雑に絡み合い、民族の融和へと進みつつあるマレーシアの政治状況について話して下さいました。民族多様性は日本ではあまり意識しないことであり、一つ一つの話が新鮮に感じました。
 最後に、マレーシアにおいて発展が著しいハラル産業やイスラーム金融についての理解を深めることが出来ました。特にハラル産業については多くのことを学びました。イスラームには、豚肉を食べてはならないといった食物に関する戒律があるため、その戒律に適した食品(これをハラルと言います)の認証が一大ビジネスとなっており、マレーシアはその産業の中心地です。マレーシア・ハラル・コーポレーション代表取締役のアクマル・アブ・ハッサン氏によると、日本もこのハラル認証ビジネスを、日本を訪れるムスリムに安全基準を提供するという、いわばおもてなしとして振興していく必要があるということでした。まずは2020年の東京オリンピックを一つの区切りとして、ムスリムを始めとする海外の人々を受け入れる態勢を構築することが必要だと感じました。
 繰り返しになりますが、現地での研修が叶わなかったにも関わらず、私たちが多くを学 ぶことが出来たのは、澤柳先生やご協力頂いた多くの方々のお蔭です。感謝の意を表して、報告文の結びとさせて頂きます。

長谷川マレーシア1

マレーシア人アクマル氏による「ハラルと日本社会」の講義

長谷川マレーシア2

代々木上原のモスク東京ジャーミー訪問

長谷川マレーシア3

代々木上原のモスク東京ジャーミー訪問

メキシコ

メキシコ国際研修の報告はこちらからご覧になれます。

オーストラリア

シドニー大学英語(上級)研修 A. S. (理III・1年)
 今回の研修には澤柳先生・佐藤さんの引率のもと、39名が参加しました。主な目的はシドニー大学の語学学校であるCET(Centre for English Teaching)のプログラムに1月11日から1月22日の2週間参加することでした。  私たちは事前に駒場で行われたテストに基づき、1クラスのGeneral English(GE)と5クラスのGraduate Academic Skills(GAS)という二つのコースに分けられました。1クラスの東大生は7人以下で、 私はGASに参加しました。
 GASは夏休みの間5週間行われる、主に次の学期からシドニー大学の修士課程に進む学生向けのプログラムでした。私たちはその2週目と3週目に部分的に参加させてもらいました。
 授業は、論文を読んでその信頼性を評価し、考え、リテラチャー・レビューを書き、それについてプレゼンテーションをクラスで行い、自分の考えを発展させてエッセイを書くことを目標にしていました。その都度ディスカッションをしながら授業を進めていくのが新鮮でした。クラスには英語のネイティヴではないアジア出身の人が多く集まっていました。東大生とは違う点にたくさん刺激を受けましたが、私は特にプレゼンテーションのうまさに驚きました。他の国出身の学生と知り合い、仲を深められたのはよかったと思います。 GE,GASの授業は午前で終わり、午後は私たちのためにCETが用意してくれたプログラムに参加しました。具体的には、シドニー大学内ツアー、国際コミュニケーションスキルや問題解決能力を高めるためのワークショップ、シドニー大学学生による午前中の授業のサポート、シドニー大学の先生のオーストラリアの歴史・先住民の人々に関する講義、オーストラリア博物館の見学などがありました。
 授業や特別プログラムがあったのは平日だけで、夕方や土日は完全に自由行動でした。各々シドニーの観光を楽しむことができました。タロンガ動物園・ボンダイビーチ・マンリービーチ・ブルーマウンテンズが人気でした。
 平日午後の自由時間には引率のお二人が企画してくださったイベントも二つありました。1月13日にはオペラハウスで『ラ・ボエーム』を鑑賞しました。1月15日にはダーリング・ハーバーの近くのバーでシドニー淡青会の方々と交流することができました。どちらもまたとない貴重な経験でした。
 ひとりひとりが今回の研修での様々な体験を通して何か得られるものがあったのではないかと思います。最後になりましたが、お世話になった皆様、特に引率の澤柳先生、佐藤さんに感謝申し上げます。ありがとうございました。

ASシドニー1

シドニー大学キャンパス

ASシドニー2

サーキュラー埠頭
シドニー大学英語(上級)研修 TLP対象 松野舜介(文II・1年)
 2016年1月10日、私たちは真冬の日本から夏真っ盛りのシドニーへと渡った。今回のシドニー国際研修の内容としては、シドニー大学英語教育センター(CET)による2週間の英語教育プログラムに参加する、というものであった。平日の午前はCETの講師によるアカデミック・ライティングの授業を受け、午後はシドニーの文化に触れる様々な企画が用意されていた。
 まずは午前の授業について詳しく述べる。この授業において、私たちは最終的にエッセーを書くことを課されており、それに向けて様々なスキルを身に着けていく内容の授業であった。東京大学の学生はだいたい5つのクラスに分けられた。それぞれのクラスでは、主に東京大学の学生と中国人の学生が半々でクラスを構成していた。授業中、多様なトピックについてクラス内の小グループでディスカッションする機会が多く設けられた。中国人たちの英語力はとりわけ高いものではないと感じたが、それでも彼らははっきりとした自分なりの考えをもっており、私たち日本人とは違う文化的背景をもった彼らと意見を交換することはたいへん有意義であった。
 授業が午前で終わると、午後はゲスト・レクチャーに参加したりシドニー大学のアンバサダーとともにビデオを作成したりと、盛りだくさんな内容であった。実のところを言えば、大概のアクティビティは私にとっては退屈なものであった。しかし、中国人の学生とペアになって、異文化交流について学ぶ講義は興味深かった。というのも、お互いの国の文化や慣習について語り合うことで、中国についてだけでなく、自国である日本についてもその特質を浮き彫りにすることができたからだ。
 授業やアクティビティがなかった土日は、シドニー観光に時間を使った。オペラハウスやボンダイビーチ、マンリービーチ、それに加えブルーマウンテンズにまで足を伸ばした。シドニーは中心街を離れれば自然を感じる風景が多く、日頃の疲れを癒すことができた。
 総じて、今回の国際研修は有意義で楽しいものであった。この研修を支えてくれた澤柳先生と佐藤さん、ともにプログラムに参加した東京大学の学生たち、そして現地の先生方のおかげである。これからもこの国際研修がより良いものに発展していくことを願っている。

MATSUNOシドニー1

2週間の研修を終了してみんな笑顔

MATSUNOシドニー2

クラスメイトとのディスカッション
UTokyo/ANU Exchange in Tokyo, W.K. (理I・1年)
私たちのグループでは毎日の振り返り活動をとてもよく行っていたと思う。毎日集まり約1時間話し合いを行った。このコースを通じて多くの事を学んだが、その中からいくつかについて述べていきたい。最も印象深かったのは、山においてジェンダーの問題が存在していたということである。私は女性が立ち入ることのできない山が未だにあるということを知らなかった。地元の女性たちがその習慣に従っているということは驚きであった。私にはなぜそうなのかが理解できず、だからこそ興味深く感じたのである。
私はこのコースを通じて、自分自身のスキルや取り組みに関することについて多くを学んだ。東京大学では授業中に先生に質問をすることは通常はあまりない。しかし、このプログラムでは、私たちは先生へ質問するように促され、それぞれのセッションでは多くの質問が投げかけられた。この体験はとても新鮮で、私も質問をしたり議論に加わったりすることができた。この素晴らしい体験を通して、私の授業に向ける姿勢がより積極的なものへと変化した。
5グループに分かれて授業が進められたこともよかった。グループ分けによって、私たちは他の学生と交流することができた。授業のあとの自由時間をともに過ごしたり、またグループのメンバーと話し合ったりしたことは本当に意味のあるものであった。私はANUの学生とコミュニケーションをとり、それは自分自身の英語のスキルを高めるためにも大変有意義なものとなった。
最後に、最も重要だと思ったのは、このプログラムが東京でも行われたため、私はANUにおいてとても楽しめ、まったく遠慮することなく過ごすことができたということである。オーストラリアでは初日から多くのことを体験できた。また、オーストラリアではグループ活動がなかったけれども、滞在中はANUの学生たちと常に過ごすことができた点もよい経験であった。

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授業の間にみんな笑顔

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いい天気でした!
UTokyo/ANU Exchange in Canberra/Kioloa, E.U. (文I・1年)
外国に行ってただ英語を習得するだけでなく、講義やフィールドトリップを通して英語で学ぶことができる点に興味を持ち、参加を決めました。コースの内容は美術から環境問題と多岐にわたり、大学で学んだことのない学問分野に触れることができました。また、ANUの学生と一日のほぼすべての時間をともに過ごすことによって、考え方や習慣、文化が違う学生とどのように仲良くなり良い関係を保つかということを自分なりに考え実行することができたと思います。このコースで何を達成したいかを少しでも意識して参加すれば、必ず自分のためになる経験を積むことができると感じました。困ったことや自分で考えてもわからないことを相談できるTAさんや優しい先生方のおかげで、有意義な数週間を過ごすことができました。

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National Gallery of Australiaでのセミナー

2016-01-29_Bush_medicine

アボリジニ保護地区でのフィールドワーク

トルクメニスタン

トルクメニスタン国際研修の報告はこちらからご覧になれます。