イベントレポート
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2014.12.2

英語落語 by 立川志の春

2014.12.2/投稿者:国際センター駒場オフィス
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 12月2日(火)、駒場Ⅰキャンパスに立川志の春さんをお招きし、英語での落語会を開催しました。当初は、留学生や外国人研究者に日本の伝統芸能を紹介するということで企画したのですが、最終的には、英語での落語に興味のある日本人学生や教職員の方々もいらっしゃるだろうということで、参加対象を広げました。その結果、68名の方々にご参加いただきました。
 最初に、志の春さんから自己紹介がありました。商社に勤めていた自分がどのようにして落語の世界に入ったかということがおもしろおかしく話され、この時点で既に観客の心をつかんでいました。恐るべき話術です!(笑)
 続いて、落語というものについて簡単に説明していただきました。江戸時代に始まった落語が時代と共に変化しながら継承されていることや、小道具は扇子や手ぬぐいといった簡単なものだけで、仕草によって観客に状況を想像させるという落語ならではの世界観についてのお話もありました。また、舞台は、実際に歩くと10mくらいしか移動できないけれど、落語は座っているからこそ世界が無限に広がり一瞬のうちに何kmも移動できるというお話には、観客一同感心して聞き入っていました。また、一人で何役もこなすにあたり、どのように声色を変えて年齢や性別がわかるようにするかということが実演され、たった一言で小さい子供からお爺さんお婆さんまで演じ分けた時には観客から「ほぉ」という感嘆の声が聞かれました。
 いよいよ落語が始まります。一席目は「TENSHIKI転失気」です。これは、お腹の具合が悪くなった和尚さんがお医者さんに診てもらった時に聞いた「テンシキ」という言葉を知らないと言えずに知ったかぶりをして、小僧さんにその意味を探りに行かせるのですが、その後も、知ったかぶりをする大人がどんどん話をややこしくしてしまいます。困り果てた小僧さんがお医者さんに「テンシキ」の意味を聞き、和尚さんが知ったかぶりをしている事を知って逆にやりこめるというお話です。
 二席目の「The Liquor Gate 禁酒番屋」も、禁酒令の下、いかに番屋をだましてお酒を持ち込むかという作戦を練る酒屋の話で、最後の場面では、状況を想像し、顔を真っ赤にして「Oh! NO!」と叫ぶ学生もいました。 どちらも軽妙な語り口でテンポよく話が展開していき、いつの間にか会場は事の成り行きを想像し、あまりのおかしさにお腹を抱えて涙を流しながら聞いている観客で溢れていました。観客一人ひとりの想像した情景は違っていたかもしれませんが、それぞれの想像の世界で志の春さんの語るストーリーが鮮やかに展開されていたようです。  
 最後は、アンコール的に、「じゅげむ」を披露していただきました。1時間近くお話しいただいた後のスピード感溢れる「じゅげむ」に、終わった時には、観客から割れんばかりの拍手が起こり、笑いの渦の中、英語落語のパフォーマンスが終了しました。
 質疑応答のセッションでも積極的に質問がなされ、「英語で落語をする上で難しい点は何か?」、「英語でオチをつけるのが難しい作品もあるのではないか?」、「自分で新しい落語を創作することはないのか?」という質問の他に、「観客が高齢化している落語界において、それを担う若手の噺家はどのようにして現在の落語界を牽引していくつもりなのか」という鋭い質問も出、参加者の落語に対する関心の高さが伺えました。
 志の春さんには、その後の交流会でも参加者からの様々な質問に個別に答えていただきました。また気軽に学生と一緒に写真に納まっていただくなど、きさくなお人柄が感じられました。学生も落語家というよりも優しくておもしろいお兄さんという感じで接していたようです。 落語を初めて聞いたという日本人学生からは、落語という伝統芸能の奥深さに触れ興味を持ったので、機会があれば改めて落語を見に行きたいという感想が寄せられました。また、留学生の中には、落語という一見日本独特の話芸による笑いが、実は非常にユニバーサルなものであることを体感して感動したという学生もいました。 日本の伝統的な話芸を英語で楽しめるという貴重な機会なので、今後も開催していければと思います。

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